笑顔の効能と使い方
太極拳の先生から、「顔は少し微笑んで」と言われた方はいますか?微笑みは周りの人をリラックスさせる効果もありますが、自分をリラックスさせる効果もあります。今回はそのへんについて書こうかなと。
ちょっと微笑んでみましょう。口の両側をひっぱって、表情を無理やり笑ったようにするのもアリです。楽しい気分になりますよね。表情や自分の姿勢を変えるだけで、自分の感情が変わるというのは心理学の研究でも効果が証明されていて、リラックス効果も高いのです。
「顔は少し微笑んで」という注意は、リラックスして動作を行う太極拳にはとても有効なんですね。お笑い番組を見ると人はリラックスして幸福度が上がるというのも研究結果の出ている事なので、たまにはお笑い番組を見るのもいい手だと思います。自分で足の裏をこしょこしょとくすぐるのも無理にでもリラックスできるいい方法ですね。ここで微笑んでしまう画像を一つ。
さて、その微笑みを自分自身、胃でも腕でもおへそにでも向けてみるとどうなるでしょうか?微笑みながら手で撫でてみるのもいいです。なんだか微笑みをかけた部分が温かくリラックスしてきませんか?
自分自身に微笑みかけ、優しくすることは気功や瞑想の世界では割と知られているリラックス法です。「内笑(インナースマイル)瞑想」と名付けているところもあり、効果は高く、これを基本の練習としているそうです。自分自身に微笑みかけて優しくする。また自分を許すことが基本。素敵ですね。
社会生活をしている中で、私たちは他の人や動物とコミュニケーションをしていますが、あまり意識していないだけで、自分自身ともたくさんのコミュニケーションをしています。
そのとき自分自身に投げかける言葉が「よくやったなあ」「いいぞ。うまくいった」などポジティブなものなら良いのですが、「ああ、自分はダメだ」「何でこんなこともできないんだ」とネガティブなものだと、気分がへこむのはまだしも、積み重なると健康まで損なってしまします。
「自分はダメだ!」と自分を責めるのはアメリカでも日本でも、ヨーロッパの国々でも良く行われる習慣だそうで、5人に1人はかかると言われるうつ病を引き起こすもっとも大きな要因と言われています。
うつ病に対するさまざまな心理療法が科学的に研究されていくなか、禅やヨガの考え方をベースに作られた手法が「セルフコンパッション(自分で自分を許す)」というもので、多くの効果が実証されています。ざっくり説明すると頭の中で自分にネガティブな言葉を投げかける代わりに、優しい言葉をかけるという手法です。
科学的に効果が証明された、自分で自分を許す「セルフコンパッション」これと、自分に微笑みかけ許す「内笑(インナースマイル)瞑想」似てますよね?自分自身にネガティブな言葉をかけたくなった時に、ネガティブな言葉をかける代わりに自分に微笑みかけてみると、気の持ちようがかなり変わるのを実感できると思います。
もちろんネガティブな気分を全て無くすことはできないのでしょうが、自分に微笑みかける事によって、ネガティブな気分よりポジティブな気分を増やすことは可能です。ほんとうにゆっくりとですが、自分に微笑む事によってポジティブな気分が増えてきます。
かく言う僕が、自分を責めすぎてしまって太極拳の練習を放棄して、果ては冷え性に悩まされる事になってしまったのです。好きな趣味をするモチベーションを失うだけではなく、生活も乱れていってしまったんですね。内笑瞑想やセルフコンパッションを学んで、5年ほどかかりましたが、何とか好きな趣味を再開するまでに回復しました。
表情を微笑ませてリラックス。さらに微笑みを自分自身にも向けてリラックス。簡単なうえに一粒で二度おいしい「微笑み」。やってみて気分が悪くなることは無いので、どうぞお試しあれ。
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